遺言書の作成

遺言書には原則として何を書いて構いませんが、法律上効力が発生するもの(遺言事項といいます)は法定されております。詳しくは「遺言書の記載事項」をご覧ください。遺言の種類として普通方式によるものと特別方式によるものの2種類あり、また、普通方式遺言には計3種類、特別方式遺言は計4種類あります。

普通方式

上記のように、遺言書は合計7種類あるということが分かります。しかし、本日は普通方式遺言の中で「自筆証書遺言」について解説をしていきたいと思います。

自筆証書遺言について

自筆証書遺言とは字の如く、自筆により遺言を残す方式です。「せっかく書いた遺言がまさかの無効に」の記事でも書かせていただきましたが、自筆証書遺言の効力を発生させるためには、以下の4つの要件が必要となります。

簡潔に言うと上記の4つが要件となります。ですので、それ以外の要件(例えば、保管場所など)は法定されておりません。

そして、自筆証書遺言のメリットとしては、費用がかからないということと、内容を秘密にできるということが挙げられます。ただ、自筆証書遺言については保管制度が開始しておりますので、詳しくはこちらをご覧ください。

デメリットとしては、形式不備により無効とされる可能性が高いということです。上記に記載した要件や訂正、加除等の方法が厳格に定められておりますし、また、自筆証書遺言はご自身で作成しますので要件を満たさなければ効力が生じない可能性があるということです。そして、遺言書の存在を本人しか知らなければ発見されないという可能性も生じます。そのデメリットに対応するためにも遺言書の保管制度が開始されたわけです。

それでは次に自筆証書遺言の効力を発生させる要件をひとつひとつ見ていきます。

➀内容が自署されている(財産目録は不要)

遺言書の全文を自署しなければなりません。これは、筆跡により本人が作成したことが判定できますし、遺言書の真意に出たものであることが保証できるためです。自筆証書遺言は公正証書遺言と異なり、証人や立会人の立会いが不要であるため、遺言書が遺言者の真意によるか否かを巡り争いが起きやすいといわれていますので、「自書」の要件を厳格に解釈しています。例えば、パソコンや点字機を用いて作成することはできません。

しかし、財産目録については平成30年民法改正により自署は不要になりました。ただし、その場合でも各ページに署名、押印をしなければなりません。これは、財産目録の部分を別の紙に差し替えたり、裏面に新しい印刷をしたりという偽造の可能性も考えられるためです。

➁作成日付が自署されている。

先ほど申し上げた通り、自筆証書遺言は証人、立会人の関与がありませんので日付の自書が要求されております。その意味で、日付は特定の日である必要がありますので、「11月吉日」のような記載はできませんが、「私の80歳の誕生日」という記載は可能と解されておりますが、作成年月日をしっかり記載した方が疑義が生じませんからいいと思います。

➂署名がある。

署名をする意味は遺言者の特定にあるわけですから、通称名やペンネームでも構いませんし、遺言者が特定できるのであれば氏や名のいずれかでも可能とされております。ただ、疑義が生じるような記載は好ましくないと考えられますので、戸籍上の氏名で署名をするのが良いと思います。

➃押印がある。

自筆証書遺言には押印が必要となります。この押印は実印の必要はありませんので指印でも構いません。ただし、指印の場合、遺言者が亡くなった後に遺言書の検証ができないという問題もありますので、印鑑を使用した方がいいと思われます。自筆証書遺言に署名はあるが押印がない場合は無効になります。(過去に署名のみで有効としたことがありますが、これは押印の文化がない外国人の場合ですので、日本文化の中で生活している限り認められないと思われます。)

以上、自筆証書遺言について書かせていただきました。何か、ご不明点ございましたらお気軽にご相談ください。

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