相続放棄について

ヤフーニュースに「80歳の親が事業に失敗、1000万円の借金を抱えて亡くなってしまいました。私が借金も相続しないといけないのでしょうか?」という記事がありました。

記事でも触れられておりますが、被相続人に借金がある場合には、相続放棄をすることも選択肢の一つだと思います。相続放棄とは、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がないことをいいます。この相続放棄ですが、勘違いされている方もいらっしゃいましてね、例えばですよ、相続人が「私は相続を放棄する」と意思表示をしただけでは相続放棄にはなりません。相続放棄をするのであれば、裁判所に相続放棄の申述が必要になります。ですので、本日は、相続放棄についてご説明していきたいと思います。

相続放棄をする場合、その相続人はもともと相続人でなかったと扱われますので、他の相続人の相続分や相続人自体が変更される場合がありますのでご注意ください。

例えば、被相続人甲で相続人が配偶者A、子B、Cの場合、法定相続分はA4分の2、B4分の1、C4分の1ですが、Bが相続放棄をすればAの相続分は変わりませんが、Cの相続分は2分の1に増えます。(もしも、Bに子供がいても代襲相続にはなりません。もともと相続人でなかったと扱われますので、その子供も代襲相続しません。相続欠格事由や廃除に該当する場合には、代襲相続することとお間違えないようにしてください。)

別の例としては、例えば、被相続人甲、配偶者A、子B、父Cの場合、相続人となるのは配偶者Aと子Bですが、もしも、Bが相続放棄をした場合、相続人は配偶者A、父Cになります。(相続人が配偶者Aのみになるわけではありませんのでご注意ください。重複しますが、相続放棄はもともと相続人ではなかったと扱われますので、子(第1順位の血族相続人)がもともといなかったという扱いになりますので、父(第2順位の血族相続人)が相続人になるということです。)

1、申述できる人

相続人(相続人が未成年者または成年被後見人である場合には,その法定代理人が代理して申述します。)

未成年者と法定代理人が共同相続人であって未成年者のみが申述するとき(法定代理人が先に申述している場合を除く。)又は複数の未成年者の法定代理人が一部の未成年者を代理して申述するときには,当該未成年者について特別代理人の選任が必要です。

2、申述期間

申述は,自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にしなければならないと定められています。

3、申述先

被相続人の最後の住所地の家庭裁判所→管轄裁判所を調べたい方はこちらです。

4、申述に必要な費用

申述人1人につき収入印紙800円分と連絡用の郵便切手。

5、申述に必要な書類

(1)相続放棄の申述書→相続放棄申述書記載例

(2)標準的な申立添付書類

【共通】

1. 被相続人の住民票除票又は戸籍附票

2. 申述人(放棄する方)の戸籍謄本

【申述人が,被相続人の配偶者の場合】

3. 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

【申述人が,被相続人の又はその代襲者(孫,ひ孫等)(第一順位相続人)の場合】

3. 被相続人の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

4. 申述人が代襲相続人(孫,ひ孫等)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

【申述人が,被相続人の父母・祖父母等(直系尊属)(第二順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)】

3. 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

4. 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

5. 被相続人の直系尊属に死亡している方(相続人より下の代の直系尊属に限る(例:相続人が祖母の場合,父母))がいらっしゃる場合,その直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

【申述人が,被相続人の兄弟姉妹及びその代襲者(おいめい)(第三順位相続人)の場合(先順位相続人等から提出済みのものは添付不要)】

3. 被相続人の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

4. 被相続人の子(及びその代襲者)で死亡している方がいらっしゃる場合,その子(及びその代襲者)の出生時から死亡時までのすべての戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

5. 被相続人の直系尊属の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

6. 申述人が代襲相続人(おい,めい)の場合,被代襲者(本来の相続人)の死亡の記載のある戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本

6、その他

相続人が,自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に相続財産の状況を調査してもなお,相続を承認するか放棄するかを判断する資料が得られない場合には,相続の承認又は放棄の期間の伸長の申立てにより,家庭裁判所はその期間を伸ばすことができます。

以上が、相続放棄に必要となる手続きとなります。もしも、ご不明点ございましたらお気軽にご相談ください。

相続放棄をしていても、死亡保険金を受け取ることは可能です。死亡保険金は、受取人固有の財産であって、相続財産に含まれないとされているためです。

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