会社の事業拡大・オフィス移転・コスト削減などに伴い、本店を移すケースは少なくありません。しかし、
- 何を決議すればいいのか?
- 法務局の管轄が変わると何が違う?
- 登録免許税はいくら?
- 期限はいつまで?
- 税務署や自治体への届出も必要?
など、実務上の論点は多岐にわたります。本記事では、株式会社の本店移転登記を中心に、手続きの流れ・費用・必要書類・注意点まで詳しく解説します。(※合同会社等も基本構造は同様です)
目次
- 本店移転登記とは
- 本店移転の2つのパターン(管轄内/管轄外)
- 手続き全体の流れ
- 決議機関と定款変更の要否
- 必要書類一覧
- 登録免許税とその他費用
- 登記期限と過料リスク
- 税務・社会保険等の届出
- よくあるトラブル事例
- 司法書士に依頼するメリット
- まとめ
1. 本店移転登記とは?
会社の本店所在地を変更した場合に、法務局へ申請する登記手続きです。会社法上、本店所在地は登記事項であり、変更時は必ず登記が必要です。
2. 本店移転の2つのパターン
① 同一法務局管轄内での移転
例:東京都千代田区 → 東京都中央区(いずれも同一管轄)
特徴
- 登記申請は1通
- 比較的簡易
- 登録免許税:3万円
② 管轄外への移転
例:東京都 → 神奈川県,、阪府 → 京都府
特徴
- 旧本店所在地と新本店所在地の両方へ申請
- 登録免許税:合計6万円(原則)
- 実務上の負担が増える
3. 手続き全体の流れ
- 移転先決定
- 株主総会等の決議
- 登記申請(2週間以内)
- 税務署、自治体等への届出
4. 決議機関の違い
ケース① 定款に「最小行政区画まで」記載している場合
例:「当会社の本店は東京都千代田区に置く」→ 区外へ移転する場合、株主総会の特別決議+定款変更が必要。
ケース② 市区町村まで記載していない場合
例:「当会社の本店は東京都に置く」→ 東京都内での移転は取締役会決議のみで可能。(定款変更は不要)
5. 必要書類一覧
基本書類
- 株主総会議事録(必要な場合)
- 取締役会議事録(設置会社)
- 取締役決定書(非設置会社)
- 登記申請書
- 委任状(専門家へ依頼する場合)
6. 登録免許税と費用の詳細
登録免許税
| 区分 | 金額 |
|---|---|
| 管轄内移転 | 3万円 |
| 管轄外移転 | 6万円 |
その他費用
- 司法書士報酬:3万円〜7万円程度
- 定款認証は不要
- 交通費・郵送費など実費
7. 登記申請期限
本店移転日から2週間以内に申請が必要です。
遅れた場合
会社法違反となり、代表者個人に過料(最大100万円以下)が科される可能性があります。
8. 税務・行政への届出
登記とは別に、以下の届出が必要です。
税務署
- 異動届出書
都道府県税事務所
- 事業開始等申告書
市区町村
- 異動届
年金事務所
- 適用事業所所在地変更届
9. よくあるトラブル
① 決議日と移転日の整合性ミス
② 定款変更を忘れる
③ 期限徒過
④ 住所表記ミス(ビル名・番地)
小さなミスでも補正対象になります。
10. 管轄外移転の特殊論点
- 同時申請が原則
- 旧本店所在地での登記完了後、新本店へ送付
- 商号・目的変更を同時に行うケースも多い
11. 実務上のチェックポイント
✔ リース契約の住所変更
✔ 銀行口座の届出変更
✔ 取引先への通知
✔ 名刺・HP変更
✔ 許認可の所在地変更
12. 司法書士に依頼するメリット
- 決議内容の適法性確認
- 定款整合性チェック
- 書類作成の正確性
- 期限管理
- 補正対応
本店移転は形式ミスが多い登記の一つです。
13. よくある質問
Q:移転前に申請できる?
原則できません。実際に移転した日以降です。
Q:バーチャルオフィスでも可能?
可能ですが、実体要件の確認が重要になります。
Q:登記完了までどれくらい?
通常2〜3週間程度です。
14. まとめ
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 期限 | 移転日から2週間 |
| 登録免許税 | 3万円 or 6万円 |
| 決議 | 定款記載内容で変わる |
| 注意点 | 管轄外は複雑 |
本店移転登記は一見簡単に見えて、実務上は落とし穴が多い手続きです。
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