過料の対象
会社の役員(取締役・監査役など)が変更になった場合、法務局で「役員変更登記」を行う必要があります。そしてこの登記を忘れて放置すると…過料(罰金のような行政制裁)が科される可能性があります。つまり、「役員が変わったのに登記していない」「任期満了で再任したのに登記していない」「長年放置している」など、こうしたケースでは、会社にペナルティが発生します。
そもそも役員変更登記とは?
役員変更登記とは、会社の役員に関する変更を法務局へ届け出る登記です。対象となる役員は以下です。役員に関する情報は登記事項証明書に載るため、正しく更新する義務があります。
- 取締役
- 代表取締役
- 監査役
- 会計参与
- 執行役(指名委員会等設置会社)
役員変更登記を忘れると過料になる理由
登記は会社の義務で
会社法では、役員に変更があった場合、変更日から2週間以内に登記申請しなければならないと定められています。
期限を過ぎると過料の対象
役員変更登記を怠ると、代表者個人に過料(最大100万円)が科される可能性があります。
過料とは?罰金と違うの?
過料は刑事罰ではなく行政上の制裁です。ただし金銭的負担は発生します。
| 種類 | 内容 | 前科になる? |
|---|---|---|
| 罰金 | 刑事罰 | 前科になる |
| 過料 | 行政制裁 | 前科にならない |
過料はいくら?
法律上は最大100万円ですが、次の金額が多いようです。特に多いのは「約5万円前後」のようです。
過料の目安
- 放置期間が短い:1万〜5万円
- 数年放置:5万〜10万円
- 長期間放置:10万円以上
過料が科されやすい典型例
①任期満了後に再任したのに登記していない
中小企業で最も多いケースです。役員が変わらない場合でも、再任=変更登記が必要です。
②取締役が辞任したのに放置
辞任後も登記簿に名前が残っていると、第三者から役員と誤認される危険があります。
③役員が死亡したのに登記していない
死亡も役員変更にあたり、登記が必要です。
④長年役員変更登記をしていない
10年以上放置している会社も珍しくありません。法務局調査で一気に過料対象になることがあります。
役員変更登記が必要なケース
以下の場合は登記申請が必要です。
- 新任取締役の就任
- 取締役の退任
- 代表取締役の変更
- 監査役の就任・退任
- 任期満了による再任
- 役員住所変更(登記簿記載の場合)
- 役員死亡
役員変更登記の期限はいつまで?
原則:変更から2週間以内
会社法上の期限は非常に短いです。例えば、「株主総会で選任:その日から2週間」「任期満了で再任:任期満了日から2週間」「辞任:辞任日から2週間」にようになります。
放置すると過料以外に起こる重大リスク
①融資・銀行取引で止まる
銀行は最新の登記簿を求めます。役員が古いままだと、融資審査NGや口座手続き不可になることがあります。
②許認可更新ができない
建設業・産廃業などでは登記簿提出が必須です。役員変更未登記だと許可更新できません。
③M&A・事業承継が進まない
買収側は登記簿を必ず確認します。役員変更未登記は信用問題になります。
④会社の信用が低下する
登記簿は誰でも取得可能です。変更されていない会社は「管理が甘い」と見られます。
役員変更登記にかかる費用
登録免許税(法定費用)
役員変更登記の税金は以下のようになります。
- 資本金1億円以下:1万円
- 資本金1億円超:3万円
司法書士報酬の相場
- 2万円〜5万円程度(内容・人数で変動)
合計費用の目安
- 約3万〜7万円程度が一般的です。
必要書類(非常に重要)
役員変更登記では以下が必要です。
株主総会議事録
役員選任決議を証明します。
就任承諾書
新任役員が承諾した書面。
印鑑証明書
代表取締役就任時に必要。(非取締役会設置会社の場合は、取締役就任時に必要です。)
役員変更登記を忘れていた場合の対応
結論:すぐに申請すれば間に合います
過料は必ず科されるわけではなく、「放置期間」「悪質性」で判断されます。そのため、気づいたらすぐ登記することが最重要です。
放置してしまった会社がまずやるべきこと
- 現在の役員状況を確認
- 任期満了していないか確認
- 株主総会議事録を整備
- 司法書士へ依頼して早期申請
よくある質問
Q. 役員が変わらなくても登記が必要?
必要です。任期満了で再任した場合も登記義務があります。
Q. 過料は会社?代表者?
過料は原則として代表者個人に科されます。
Q. 過料を避ける方法は?
唯一の方法は「期限内に登記する」「放置に気づいたら即申請する」ことです。
まとめ|役員変更登記を忘れると過料リスク
役員変更登記を放置すると、過料(数万円〜最大100万円)や融資・許認可が止まる、会社信用が落ちるなど重大な影響があります。役員変更があったら必ず2週間以内に登記しましょう。
役員変更登記は司法書士にお任せください
役員変更登記は、任期管理や必要書類作成、法務局申請など専門知識が必要です。当事務所では、過料リスクを防ぐ迅速対応、株主総会議事録の作成支援、全国対応可能しております。初回相談無料ですので、役員変更登記を忘れていた方も、今すぐご相談ください。

