2024年から始まった不動産登記制度の大改正により、「検索用情報の申出」という新しい制度がスタートしました。しかし、
- そもそも検索用情報の申出とは何か?
- いつ・誰が・どのように行うのか?
- しないとどうなるのか?
- 相続登記との関係は?
といった疑問を持つ方が非常に多いです。本記事では、司法書士の立場から検索用情報の申出制度を詳しく解説します。
検索用情報の申出とは?
検索用情報の申出とは、不動産の所有者が「氏名・住所・生年月日などの情報」を法務局に申し出る制度です。目的はとしては以下の通りです。
✔ 登記名義人の特定を容易にする
✔ 相続登記未了問題の解消
✔ 所在不明所有者の減少
✔ 将来的な住所変更登記の円滑化
制度が始まった背景
近年、日本では空き家問題が深刻化しています。相続登記がされないまま放置されることで、
- 所有者が分からない土地
- 連絡が取れない共有者
- 公共事業が進まない土地
が増加しました。そこで2024年の不動産登記法改正により、
- 相続登記の義務化
- 住所変更登記の義務化
- 検索用情報の申出制度
が導入されました。
いつから始まった?
検索用情報の申出制度は、2024年(令和6年)4月1日以降の登記申請から適用されています。新たに所有権の登記をする場合、
- 売買
- 贈与
- 相続
- 財産分与
などで所有者になる人は、検索用情報の申出が必要になります。
申出が必要な人
以下のケースで所有権登記を申請する人は、検索用情報の申出が必要です。
① 売買による所有権移転
② 相続による所有権移転
③ 贈与
④ 共有持分取得
※既に登記名義人になっている人は、原則として直ちに申出義務はありません。
申出する情報の内容
申出する情報は以下の通りです。
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- メールアドレス(任意)
これらは、法務局内部で検索・特定のために利用されます。登記事項証明書には記載されません。
申出の方法
原則:登記申請と同時に行う
通常は、所有権移転登記の申請書に検索用情報を記載します。司法書士が代理申請する場合も、同時に提出します。
単独で申出することも可能
既に登記名義人の方が、将来のために申出することも可能です。
費用はかかる?
検索用情報の申出自体に登録免許税はかかりません。ただし、
- 登記申請の一部として行う場合
- 司法書士へ依頼する場合
は、報酬が発生します。
申出をしないとどうなる?
現時点では、検索用情報の申出自体に直接の過料はありません。しかし、
- 住所変更登記の義務化(2年以内)
- 相続登記の義務化(3年以内)
が始まっており、これらには過料の可能性があります。将来的に管理強化が進む可能性は十分あります。
相続登記との関係
2024年4月から、相続登記は義務化されました。相続によって不動産を取得した場合、
✔ 3年以内に登記申請
✔ その際に検索用情報の申出
が必要です。相続人が複数いる場合、それぞれの検索用情報が必要になります。
司法書士が関与するメリット
検索用情報の申出は簡単に見えますが、実務上は以下の確認が必要です。
- 住民票との整合性
- 生年月日の誤記防止
- 共有者全員分の整理
- 相続関係説明図との一致
誤りがあると補正対象になります。司法書士に依頼することで、
✔ 登記と同時に正確に申出
✔ 相続関係の整理
✔ 将来の住所変更対応
✔ 義務違反リスク回避
が可能になります。
よくある質問
Q1. 既に不動産を持っている人も必要?
義務ではありませんが、将来のために申出可能です。
Q2. メールアドレスは必須?
任意です。
Q3. 法務局から何か通知が来る?
制度運用上、住所変更等の確認に活用される可能性があります。
Q4. 登記事項証明書に載る?
掲載されません。内部管理情報です。
検索用情報の申出が重要な理由
今後、不動産管理は「所有者が明確であること」が前提となります。空き家問題・所有者不明土地問題の解決のため、国は登記制度を強化しています。検索用情報の申出は、その第一歩です。
まとめ
✔ 2024年からスタート
✔ 所有権登記時に原則必要
✔ 費用は基本的に不要
✔ 相続登記とセットで重要
不動産の売買や相続を検討している方は、制度を正しく理解しておくことが重要です。
司法書士へご相談ください
- 相続登記と検索用情報をまとめて依頼したい
- 義務化対応を安全に済ませたい
- 将来トラブルを防ぎたい
このような方は、専門家にご相談ください。

