「遺言書が見つかったけど、すぐに開けていいの?」「検認って何?しないとどうなる?」「公正証書遺言でも検認は必要?」相続が発生した際、自筆の遺言書が見つかった場合に必ず問題になるのが“検認”です。
この記事では、遺言書の検認とは何か、必要なケース、具体的な流れ、注意点、罰則まで詳しく解説します。相続トラブルを防ぐためにも、正しい知識を身につけておきましょう。
遺言書の検認とは?
検認とは、家庭裁判所が遺言書の存在と内容を確認し、偽造・変造を防止するための手続きです。重要なのは、検認は「遺言の有効性を判断する手続きではない」という点です。あくまで、遺言書の形状や日付、署名、加除訂正の有無を確認するための制度です。
検認が必要な遺言書の種類
遺言書には種類があります。
■ 検認が必要な遺言
- 自筆証書遺言
- 秘密証書遺言
※自宅保管されていたものが対象です。(法務局に保管されている場合のは不要)
■ 検認が不要な遺言
- 公正証書遺言
公証役場で作成された公正証書遺言は、検認不要です。
■ 法務局保管制度を利用した自筆証書遺言
2020年から開始された法務局保管制度を利用している場合も、検認は不要です。
検認をしないとどうなる?
自筆証書遺言を検認せずに開封した場合、5万円以下の過料の可能性があります。また、金融機関や法務局では検認済証明書の提出が求められます。つまり、検認を経なければ実務上の手続きが進みません。
検認の申立てができる人
- 相続人
- 遺言執行者
- 利害関係人
通常は相続人が申し立てます。
検認手続きの流れ
ここからは実務的に非常に重要な流れを解説します。
STEP1:申立て
【申立先】
被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
【必要書類】
- 検認申立書
- 被相続人の出生から死亡までの戸籍
- 相続人全員の戸籍
- 遺言書原本
- 収入印紙800円
- 郵便切手
STEP2:期日の指定
裁判所から検認期日が通知されます。相続人全員へ通知が送られます。
STEP3:検認期日
裁判官立会いのもと、
- 封印確認
- 開封
- 内容確認
が行われます。
STEP4:検認済証明書の取得
登記や銀行手続きで必要になります。
検認にかかる期間
通常、申立てから1〜2か月程度。相続人が多い場合はさらに時間がかかります。
よくある誤解
検認で有効無効が決まる
→ 決まりません。
相続人全員が出席しないと無効
→ 出席は任意です。
内容に納得できない場合はその場で争える
→ 別途、遺言無効確認訴訟が必要です。
検認後に起こりやすいトラブル
- 遺言内容に納得できない相続人がいる
- 遺留分侵害の問題が発生
- 不動産評価で争い
検認はあくまでスタート地点です。
遺言無効を争う場合
検認とは別に、地方裁判所で「遺言無効確認訴訟」を提起します。主な争点としては以下の通りです。
- 筆跡
- 認知症の有無
- 日付不備
- 強迫
弁護士に相談すべきケース
✔ 遺言内容に強い不満がある
✔ 遺留分が侵害されている
✔ 筆跡が怪しい
✔ 認知症だった疑いがある
✔ 相続人間の対立が激しい
早期相談が重要です。
検認前にやってはいけないこと
❌ 勝手に開封
❌ 内容を改変
❌ 財産を処分
これらは重大な法的問題になります。
検認と相続手続きの関係
検認が終わらないと、不動産の名義変更や預金解約ができません。相続手続きの最初の重要ステップです。
まとめ|遺言書の検認は「形式確認」の手続き
遺言書の検認とは、
✔ 自筆証書遺言に必要
✔ 有効性を判断するものではない
✔ 開封前に申立てが必要
✔ 約1〜2か月かかる
という制度です。検認後に紛争へ発展するケースも少なくありません。
相続トラブルにお悩みの方へ
- 遺言内容に納得できない
- 遺留分を請求したい
- 無効を主張したい
そのような場合は、早めに弁護士へご相談ください。

