戸籍の証明書の取得

相続登記といわれる不動産の名義変更や銀行口座の解約手続きなどで戸籍謄本が必要となることがあります。戸籍とは、日本における家族の身分関係(出生・死亡・婚姻など)を記録した公的な書類です。戸籍謄本は正式には「全部事項証明書」と呼ばれ、戸籍に記載されているすべての人の情報を写したものです。相続の開始があったことを証明し、また、法定相続人を特定するための戸籍の証明書(戸除籍謄本)を取得します。

平成6年に戸籍法が一部改正され、戸籍のコンピューター化が進みました。今までは、紙に手書きしたりタイプしたりして記録していた戸籍が、改正により磁気ディスクに調製できるようになりました。この改正により戸籍をコンピューター化した市区町村では、戸籍謄本が請求された場合には「全部事項証明書」を交付しています。

相続登記の申請に必要な戸籍の証明書

相続登記の申請では、戸籍の証明書によって、①相続が開始したこと(土地・建物の所有者が死亡した事実)を証明するとともに、②法定相続人を特定する(他に相続人がいないことを証明する)必要があります(注)。

相続登記には、被相続人の出生~死亡まで記載された期間の戸籍謄本全て必要となります。それは、上記でも述べた理由によるわけですが、もしも、その戸籍謄本が揃っていなければ相続人を除外して相続登記や遺産分割をしてしまう可能性もでてくるわけですから注意が必要になります。

戸籍を取得できる人は戸籍法第10条で法定されております。

【戸籍法第10条】戸籍に記載されている者又はその配偶者直系尊属若しくは直系卑属は、その戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍謄本等」という。)の交付の請求をすることができる。

また、受任する事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士も取得することができます。

※戸籍法第10条には「傍系血族」(例えば兄弟姉妹)が含まれておりませんのでご注意ください。しかし、利用を必要とする理由等を明示して戸籍請求をすることができます。

戸籍の証明書のイメージ

今現在(令和7年1月5日)戸籍簿や除籍簿の保存期間は150年です。以前は、80年や100年などありましたが今は150年です。(平成22年6月1日戸籍法改正)

上述した通り、相続登記には戸籍謄本が必要となりますが、保存期間を過ぎている場合には破棄処分され戸籍謄本を入手することができないということになります。この場合、市区町村役場に破棄証明を申請することができますので、その証明書を相続登記に添付することになります。

取得先(請求先)は?

戸籍の証明書は、それぞれの戸籍ごとに、本籍のある市区町村に請求します。なお、本人、配偶者、直系尊属(父母、祖父母など)、直系卑属(子、孫など)の戸籍の証明書(戸除籍謄本等)については、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます(コンピュータ化されていない一部の戸除籍を除く。)。請求の方法や交付に必要な手数料等については、市区町村のホームページなどで案内されていますので、市区町村のホームページをご覧いただくか、市区町村にお問い合わせください。

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